皆さんこんにちは 最近増えている成年期アトピー性皮膚炎についてお話します。アトピーとはギリシャ語の(atopia)に由来し、(奇妙な)という意味です。不思議で原因不明、そして、奇妙な皮膚病、これがアトピー性皮膚炎です。 アトピー性皮膚炎は乳児期、幼児期、思春期&成年期の3段階に分かれます。成年期とは18~39歳で会社参加して自立し、仕事や家でストレスが多いと言われる時期に当たります。今回はこの時期のアトピー性皮膚炎に的を絞ってお話しします。成年期にアトピー症状が突然現れる場合もありますが、乳児期、幼児期にいったん治ったアトピー性皮膚炎が再発するケースがほとんどです。成年期アトピー性皮膚炎の原因いくつか上げてみます。①アレルギーの可能性…アレルギー症状の可能性はありますが、アレルギーと断言はできません。私たちの身体には外から入ってくる異物(アレルゲン)を排除しようとする(免疫)と呼ばれるシステムがあります。これは身体を守るためになくてはならない仕組みですが、時に必要以上に作用したり、不適切に働いたりして、逆に身体を傷つけてしまうことがあります。ほこり、ダニ、ペットの毛、建築物の素材などの吸引性アレルギーや食物性アレルギーに加え、化粧品や装飾品などによる接触性アレルギーの影響も考えられます。②防御機能の低下…アトピーの症状を持つ方は健康な人に比べると皮膚の防御(バリア)機能が弱いことが特徴としてあげられます。(防御機能が落ちると皮膚が敏感になります。)➡(ちょっとした刺激でカユミがでます。)➡(かゆいと薬を塗りますが、薬を塗りながら、かいてしまいます。)このように悪循環になってしまい、改善できません。ここで例を挙げます。子供は眠いとバリア機能が落ちます。バリア機能が落ちるとカユミが出ます。この悪循環と同じことです。つまり改善するには防御機能を上げることが大切となってきます。防御機能を上げるには、Ⓐ睡眠を正しい時間にしっかりとる。(入院すると21時消灯、6時起床です。)Ⓑ(皮膚内にセラミドが足りている。)この条件が必要です。
Ⓐ(( 睡眠を正しい時間にしっかりとる。))ステロイド(副腎皮質ホルモン)という体内で作られるホルモンがあります。このホルモンのタンクは朝8時に満タンになっており、時間の経過とともに徐々に減っていきます。夜の8時にタンクは空になり、皮膚のバリア機能は低下します。ですからなるべく早い時間に寝て、早起きるという規則正しい生活がとても大切になってきます。
Ⓑ((皮膚内にセラミドが足りている。)) 角質層がきれいに並んでいると、肌の水分が維持されバリア機能が働きます。この角質層は細胞間脂質などが糊の働きをしてつながっています。細胞間脂質の主成分はセラミドです。セラミド自体でも水分を保持する力があり、天然保湿因子を抱え込むことによって水分を保持し、角質細胞をサンドイッチ状に張り合わせことで肌表面はなめらかになり、水分蒸発を防ぐことができます。この重要な働きをするセラミドは加齢とともに減少してしまいます。つまり補っていくしかありません。また、最近は間違った摩擦などのお手入れによって角質層がうろこ状に並ばずに水分蒸発に繋がっている方も多いようです。
このようにさまざまな要因が複雑に絡まりあうことで、成年期のアトピー性皮膚炎の悪化につながり、また治りにくくなります。今回のことを参考に体質改善と正しいスキンケアをして、少しでも緩和につながればうれしいです。
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